[文学] 殺人の記憶
町田康 『告白』 の主人公城戸熊太郎は、 人を殺した記憶が人格の核であるような人物。 つまり、 セルフアイデンティティ。 おそらく作者のアイデンティティでもある。人を殺して逃げ回る夢は、 誰もが見るのだろうか。 それとも少数の者だけか。 四方田犬彦は結婚したら見なくなったというが、性欲と関係あるのだろうか。 自分の場合を考えると、 むしろ世間に対する負い目。 自分が世間の価値観や倫理観から外れたところにいるという自覚、だからといって自分が正義の側にいるとは思えない負い目。 自分が正義の側にあると思える者は、 犯罪者となって逃げ回る夢などみないだろう。
拙作 「春の夢」 は、 人を殺した夢は性と関係あるのだろうかと考えつつ、というかそのことがぼんやり頭にあって書いたもの。
