2005-04-27
[文学]  三島 vs. 太宰
『週刊文春』 最近号のコラムで、 中村うさぎが 「ツッコミ小人」 ということを言っている。 彼女によれば、 ツッコミ小人とは 「脳内他者という形の客観性」。 曰く、

三島由紀夫は、 己のナルシシズムとコンプレックスに翻弄されつつ、 生涯、 このツッコミ小人の声に耳を澄まして生きようとし続けた人であったと思われる。 彼が太宰に向かって 「あなたの作品が嫌いだ」 と言い切ったエピソードは有名だが、 彼は太宰治の作品に溢れかえるナルシシズムの垂れ流しこそを嫌悪したのではないか、 と、 女王様は考えている。 少なくとも、 女王様は、 太宰治の自己陶酔ぶりが気持ち悪くて大嫌いだ。 太宰治にはツッコミ小人がいなかった。

太宰についてはそのとおりだろう。 おれは太宰もほとんど読んでないが、 『人間失格』 ほど薄汚い小説をほかに知らない。 いや、 太宰作品の中でということではなくて、 今までの全読書体験のなかで。 物書きが自分の欠陥をさらけ出したり、 えぐったりすることはある。 太宰は見せびらかす。 ついでに言えば、 何が富士には月見草なんだか (出典不知)。

ではあるのだけれども、 三島があんなに太宰を嫌ったのは、 近親憎悪という面もあるのではないか。
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