浦島雑誌(旧)
2005-05-08
[詩論ロボット]  詩作支援ツールとしての人工無脳
詩を書くのに、ときどき人工無脳を使っている。どれも別サイトで既発表だが、たとえば次のようなもの。はじめの2本は、人間の手がかなり入っている。

「サボテン」

灰緑色の月夜に
屋台から買ってきた
たかがサボテン
その形と色とから
精髄なんていうものが
あるはずはない
── と見たのだが

この「サボテン」は、語彙もフレーズも人工無脳の出力を使ったが、まとめるのに苦労した覚えがある。こまかいところを、かなりいじったのだろう。作業の量から言えば、人間のかかわりのほうが大きい。

「赤い仙人」

赤い仙人だったら
家の内だな、仙人だったら
まアまアそんな所かな
そしてようやく場所探しがはじまって
茶褐色と見えた池を、ぼくらは訊ねた
湖水をそよがせ、サラサラそよぐ蘆の中に
小舟をならべた場所へ出た
奇妙なさびしい家だった
あれはいつかの家畜が訪れる舟
細長い奇妙な物さびしい家だった
細長い平たい家だった
顔を歪めて笑ってた
灯心草に赤い藤でも単調に赤い藤でも
離れ小島に灯心草と言いながら
こう話しながらも指さした
あれがしかめ面の赤い仙人

これは人工無脳が出力した行をだいぶ入れ替えて、ストーリーを構成した。行をつなげるために、何箇所か行末を加工した。最後の1行は人間が書いた。最後から2行目も人間が加工した。作者(人間)としては、人間が作ったその2行が不満で、仕上げた気になれないでいる。もう一息だと思うんだが。

以上はどちらも 「青空文庫」 からテキストを借りてきて人工無脳に与えた結果だが、以下の五行詩では、3000行ほどの自作詩を食わせた。

住みよいか住みよいか
顔がそういう顔なんだから
これがもう、もがいても
女性的になったんだから
カネもらって詩に書いてたわよ

     *

どうことになろうが
そこの捜査官、何か言ったで、ほら
おれの文語ではないのに
殺人現場と成り果てて
ひとそれは飯食ってよ

     *

おもしろいとこのひとかけらもないか
ここんところ
どんどんぐりと山猫ですが
いえば
いえ、おい

     *

いえ、投げやりだけど
どうも困った
とか言ってりこねて
おれ、間違っていうより考えてもみないか
跡になんでそんなことどうの

素材が自分の詩だから、語彙や言い回しに違和感がないせいか、これらはすべて人工無脳の出力どおり。短くて、まとまりよく見えたから、人間が手を入れないですんだということもある。
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