[雑] 接点無し
一昨日買った 『文藝』 夏号の特集と 『しりあがり寿 自選爆笑短編集 のっぴょぴょ~』 を読む。 『文藝』 で香山リカ曰く、 「『エレキな春』 を最初に手にしたときの衝撃を、 私たちは忘れることはない」。『エレキな春』 は、 しりあがりの単行本デビュー作。 『のっぴょぴょ~』 にも、 その中から何本か採録されている。 この作品に同時代的に出会っていても、 わたしはおもしろがらなかっただろう。 いま読んでもおもしろくない。 「私たちは忘れることはない」 という香山の断言には、 だからかなり戸惑った。 エッセイや論文、 まとめていえば何らかの論を読むとき、 同感だったり、 反発したり、 バカなやつだと思ったり、 関係ないなと素通りしたり、 ようするに読んだ自分と読まれた論の間には何かの接点があるのが普通だが、 香山の断言にはどう対していいか。 ああそうだったのかと思い当たったのは、 数学でいう虚数。 この種の奇妙な感覚を、 数学者は虚数を発明して回避したのだろう。 わたしはとりあえず、 戸惑ったとしか言いようがない。
80年代というのは、 わたしには無かったも同然の時代か。
しりあがりにも、 香山にも、 わたしは悪い気持ちは持っていない。 『小説 真夜中の弥次さん喜多さん』 にはずんぶん感心させられたのだし、 テレビでときおり見る香山は悪いお姉さんには見えないし。
