2005-05-22
[文学]  声に出して読んではいけない詩
西条八十 「トミノの地獄」

姉は血を吐く、 妹は火吐く、
可愛いトミノは宝玉(たま)を吐く。
ひとり地獄に落ちゆくトミノ、
地獄くらやみ花も無き。
(…)
地獄七山七谿めぐる、
可愛いトミノのひとり旅。
地獄ござらばもて来てたもれ、
針の御山の留針 (とめばり) を。
赤い留針だてにはささぬ、
可愛いトミノのめじるしに。

今年の初めから最近にかけて、 この 「トミノの地獄」 が、 声に出して読んではいけない詩として話題になっていたらしい。 四方田犬彦の 『心は転がる石のように』 にある話が、 ネットで紹介されて広まったという。

» 真があって運の尽き: 絶対に声に出して読めない『トミノの地獄』
» 真があって運の尽き: 『トミノの地獄』について

寺山修司はこの詩を声に出して読んでから、 まもなくして亡くなったとか。 この話をネットで最初に紹介したデザイナー氏も、 その後体調を崩して入院 (これは事実らしい)。

演出家の久世光彦は 「できれば、 声を出して読んでみて欲しい」 (『黄昏かげろう座』) と言っていて、

「トミノの地獄」 は壮麗なオペラである。 正しくは、 オペラでなくてはならない。 それも嘗てない舞台幻想に満ち溢れたオペラでなければならないのだ。 しかし、 あまりにも判らなすぎる。 つまり歌詞だけは残っているが、 曲の譜面も、 その他の登場人物も、 上演のための覚え書きも、 衣裳についての資料も、 何もかもないのである。 …

と妄想をたくましくしているから、 あるいはいつか、 舞台でこれが見られるかもしれない。 「四谷怪談」 の上演にあたっては、 役者や関係者がお岩稲荷にお参りして無事を願うそうだが、 「トミノの地獄」 はどこにお参りすればいいんだろう。

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» ドミノの金玉って
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