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2005-06-21
[ロボット]  少女人形フランシーヌ
デカルトに関するある言い伝え。デカルトは日ごろからフランシーヌという名の人形をトランクに入れて持ち歩いていて、スウェーデン女王クリスティーナに招かれて海をわたったときも、船室にこの人形を持ち込んだ。

たまたまドアの外でささやき声を耳にとめた船長がデカルトの留守に船室を調べてみると、そこには薄気味の悪い少女人形がガラスの目玉をぱっちり開いて寝かされているではないか。と、折から荒天(しけ)が起って船ははげしくローリングしはじめ、あわや沈没するかに見えた。これこそはあの悪魔の作った人形の呪いにちがいないとばかり、船長が哲学者の船室からフランシーヌを持ち出して海中に投げ捨てると、嵐は嘘のようにピタリと凪いだという。── 種村季弘 『怪物の解剖学』

話の続きは種村のエッセイを読んでもらうとして、この引用は何のためだったか。そうそう、自由の自覚とロボットという問題。ロボットやコンピュータ、まとめて言えば自動機械を考えついたり、作ったりした人たちは、人間の(あるいは自身の)自由を信じていなかったにちがいない。少なくとも、疑問を持っていたにちがいない。デカルトは、人間は自由であると主張した人である(たぶん)。しかし、自分の自由に疑問を持っていない人が、自由について突きつめて考えたりするだろうか。で、この話、少女人形フランシーヌの噂とどうつながるんでしたっけ。知りませんよ、そんなこと。自分で考えなさい。
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