おれがどうして詩を書きはじめたかといえば、 成り行き。 ネットで日記を書いてるうちに、 ときどき韻文風のフレーズが入ってきたりして、 そのうち、 ああおれは詩が書きたいのか、 というふうに意識化されて、 それからなのだ。
たとえば以下は最初期のもの。 日付を見れば、 99年8月。 もう最近のことではない。 それはそれとして、 まだ詩を書くという意識はなく、 詩というより戯文。 多少のフィクションは入ってるが、 基本的には日記の一部で、 実体験。
オレってビジネス
駅のホームでビジネスなんかやっちゃって。
あんまり人影のない午後の地下鉄で、
そこだけ人のたむろすベンチのあたりまでやってきて、
ふと思い付いてケータイ取り出しちゃって、
やり口がナニゲだったりして、
「あ、 オレです、 いま永田町、 降りたとこです」
オレです --- って、 お前、 テレビの見過ぎだよ。
オレって、 けっこうやり手のビジネスマンで、
相手が上司だろうと客だろうと、 「オレ」 で通しちゃったりして、
髪なんか濡れ濡れ固めちゃって、
やっぱオレって、 少し仕事ができたりして。
どうでもいい電話が終わると、 またケータイだったりして、
今度の相手は、 今年から付いた部下の女の子で、
上司のオレを尊敬のマナザシで見ちゃってる子で、
いつ尊敬が愛に変わって、 恋に変わるかわからなかったりして、
オレとしては分別ある決断を迫られてたりして、
そんでもって、
「あ、 オレだ。 いま永田町」
わかってんだよ永田町は、 向こうは知ってんだから。
で、 終わるとまたどっか電話して。
オレって、ビジネスだもんなあ、
仕事できるもんなあ、
電話の仕方からして違うもんなあ、
って、 うっとりしながら電話切って、
そんでまだ肝心の電話が残ってたりして、
「あ、 凸山です、 いま永田町っす。 5分でうかがいますから」
ったく、 もう。 電話してるまに、 さっさとうかがえって。
駅のホームでビジネスなんかやっちゃって。
あんまり人影のない午後の地下鉄で、
そこだけ人のたむろすベンチのあたりまでやってきて、
ふと思い付いてケータイ取り出しちゃって、
やり口がナニゲだったりして、
「あ、 オレです、 いま永田町、 降りたとこです」
オレです --- って、 お前、 テレビの見過ぎだよ。
オレって、 けっこうやり手のビジネスマンで、
相手が上司だろうと客だろうと、 「オレ」 で通しちゃったりして、
髪なんか濡れ濡れ固めちゃって、
やっぱオレって、 少し仕事ができたりして。
どうでもいい電話が終わると、 またケータイだったりして、
今度の相手は、 今年から付いた部下の女の子で、
上司のオレを尊敬のマナザシで見ちゃってる子で、
いつ尊敬が愛に変わって、 恋に変わるかわからなかったりして、
オレとしては分別ある決断を迫られてたりして、
そんでもって、
「あ、 オレだ。 いま永田町」
わかってんだよ永田町は、 向こうは知ってんだから。
で、 終わるとまたどっか電話して。
オレって、ビジネスだもんなあ、
仕事できるもんなあ、
電話の仕方からして違うもんなあ、
って、 うっとりしながら電話切って、
そんでまだ肝心の電話が残ってたりして、
「あ、 凸山です、 いま永田町っす。 5分でうかがいますから」
ったく、 もう。 電話してるまに、 さっさとうかがえって。
次のものでは、 すでに詩であることを意識していたと思うが、 ほとんど実体験のまま書いた日記の一部。 99年10月。
路上三秒
お、 いい女。
夜目、 遠目、 笠のうち
なに、 きれいに見えりゃそれでいい。
すれ違うのが楽しみ、
すれ違ってしまうのが惜しい。
と、 敵は何やらバッグから、
「なんだよ、 携帯かよ」
とぼやいてみても、
こちらの姿に目をくれるはずもなく、
はや、 話中の人。
けっ、 どうせろくな相手じゃなかろうに、
クズにきまってるだろうに、
緊急でもあるまいに、
そんなオカマみたいなやつと、
そんなヒモみたいなやつと、
そんなスピロヘータと、
「あ、 あたし。 いま学園の前」
なんてやってるひまに、
あんた惜しいことしたよ、
路上三秒の恋が、
芽生えて、
消えて、
三十秒の思い出に
ひたれるとこだったのに。
お、 いい女。
夜目、 遠目、 笠のうち
なに、 きれいに見えりゃそれでいい。
すれ違うのが楽しみ、
すれ違ってしまうのが惜しい。
と、 敵は何やらバッグから、
「なんだよ、 携帯かよ」
とぼやいてみても、
こちらの姿に目をくれるはずもなく、
はや、 話中の人。
けっ、 どうせろくな相手じゃなかろうに、
クズにきまってるだろうに、
緊急でもあるまいに、
そんなオカマみたいなやつと、
そんなヒモみたいなやつと、
そんなスピロヘータと、
「あ、 あたし。 いま学園の前」
なんてやってるひまに、
あんた惜しいことしたよ、
路上三秒の恋が、
芽生えて、
消えて、
三十秒の思い出に
ひたれるとこだったのに。
えーと、 なんでこんなものを引っ張り出したんだ。
ああ、 そうか、 出発点にもどろうというわけだ。 詩であっても、 詩でなくても、 どうでもいいようなもの。
