浦島雑誌
2005-08-18
[文学]  また古本屋の店頭で本を拾って、昨日は『ギ…
また古本屋の店頭で本を拾って、昨日は『ギュンター・グラス詩集』。94年、小沢書店。

良い詩はすべて機会詩である。悪い詩はすべて機会詩である。ただ、いわゆる実験室の詩にだけ、安全な宙ぶらりん状態が、つまり、最良というのではないが、最悪というのでもない、ひとおとり才智だけはあって面白くないことはないという状態が保留されている。(…)彼の怒りの対象は、(…)自分の詩をテキストと呼んで、自分が詩人と呼ばれるのは嫌いで、それでは何と呼ばれたいのか判然としない、要するに機会も詩神(ミューズ)も持たない連中に向けられている。

「彼」とあるのはグラス自身のこと。60年に書いたか、しゃべったもの。時代から言って、シュールレアリストたちに向けたものかとも見えるが、むしろ、技法だけ心得て、ろくなパッションもなしに書いてる連中に苛立ったのだろう。45年前、すでに詩の世界はそういうものだったらしい。
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