» ディアハンター
以下の引用は、 すべてこのスレッドの書き込み (2005年10月8日~12月19日) から。
チミノ監督の 「シシリアン」 は、 善良な義賊が共産主義者とされて国家権力に抹殺されてしまう悲劇だし、 あの監督は政治的な主張は持ってないんだろう。
単に差別意識からベトナム人を悪く描いていたら、 政治的にも好評を博したというところか。
ちなみに、「イヤー・オブ・ザ・ドラゴン」 という映画では、 中華系移民をやはり極悪非道に描いている。
東洋人がよほど嫌いなんだろうな。
単に差別意識からベトナム人を悪く描いていたら、 政治的にも好評を博したというところか。
ちなみに、「イヤー・オブ・ザ・ドラゴン」 という映画では、 中華系移民をやはり極悪非道に描いている。
東洋人がよほど嫌いなんだろうな。
マイケル・チミノを人種差別的な人物と見るのは、 表層しか見ていないため。 かつて平岡正明が 『イヤー・オブ・ザ・ドラゴン』 を論じた文章でチミノをゲス呼ばわりしたとき、 岡庭昇が 「差別を知っているから、 登場人物に差別的なセリフを言わせることができるのではないか」 と疑問を呈したことがある。 岡庭が正しい。
「イヤー・オブ・ザ・ドラゴン」 の敵役、 ジョーン・ローンは当時これで一躍人気を得た。
なぜか。 スタイリッシュで括弧よかったから。
事実、 日本でも女性ファンを一杯獲得した。
対して、 主役のミッキー・ロークは薄汚く、 女房子供に去られた性格破綻者として描かれている。
一方ジョーン・ローンは、 組織人としての野望と非情さだけではなく、 妻を愛する家庭人としての側面も持つ魅力的なキャラクターとして描かれていた。
なぜか。 スタイリッシュで括弧よかったから。
事実、 日本でも女性ファンを一杯獲得した。
対して、 主役のミッキー・ロークは薄汚く、 女房子供に去られた性格破綻者として描かれている。
一方ジョーン・ローンは、 組織人としての野望と非情さだけではなく、 妻を愛する家庭人としての側面も持つ魅力的なキャラクターとして描かれていた。
そのとおりだと思う。 ジョン・ローン扮する若きチャイニーズマフィアのドンが、 美しく、 理知的で、 もちろん魅力的な人物として描かれているのに対し、 ミッキー・ロークの演じる刑事は、 軽薄、 軽率、 自分勝手な薄汚い人物 (それゆえに悲哀もなめなければならないのだが) として描かれ、 差別的どころか、 むしろバランスが良すぎるくらいではないか。 エンディングの葬列は、 ミッキー・ロークの属する白人社会の勝利を象徴するものではない。 ストーリーの上では敗れたエスニックなものが、 じつはそう簡単に消滅するものではないというチミノの認識を示すものだろう。
葬列の模様を実況するテレビレポーター (共演のアリアンヌという日系ハーフ) に向かって、 ロークが例のちゃらちゃらした笑いを浮かべながら、 チャチな花束を振ってみせる場面が笑える、 少し泣けもするが。 つねに敗北で終わるチミノ作品のパターンにしたがって解釈すれば、 葬列の脇をもつれ合うようにして進むロークとアリアンヌの短いショットは、 チミノ (=白人) の側の敗北宣言であるともとれる。
いやいや、 それが 「イヤー・オブ・ザ・ドラゴン」 に出演した中国系アメリカ人俳優の大御所、 ビクター・ウォンなんかは、 チミノと仕事ができて感激していたんだな、これが。
主演級でもないのに、 専用のトレーラーを支給されたり、 とにかくアメリカ映画で初めてこんな厚遇を受けた、 と当時インタビューで語っていた。
そしてウォンとチミノのコラボによってあの名セリフ、
「君たちアメリカ人がまだ洞穴に住んでいた時、 我々中国人は既に船で海を渡っていたんだ」 (歴史的にはそのころアメリカ大陸には白人がいなかった、 なんて野暮な突っ込みはなしよ) が生まれたという秘話も明かしていたぞ。
主演級でもないのに、 専用のトレーラーを支給されたり、 とにかくアメリカ映画で初めてこんな厚遇を受けた、 と当時インタビューで語っていた。
そしてウォンとチミノのコラボによってあの名セリフ、
「君たちアメリカ人がまだ洞穴に住んでいた時、 我々中国人は既に船で海を渡っていたんだ」 (歴史的にはそのころアメリカ大陸には白人がいなかった、 なんて野暮な突っ込みはなしよ) が生まれたという秘話も明かしていたぞ。
「イヤー・オブ・ザ・ドラゴン」 が長くなったが、 本題は 「ディア・ハンター」 でした。 長い記事になりそうなので、 続きは次のエントリーで。
