2005-12-26
[浦島詩抄]  面影
なにしろ
水棲の記憶が
抜けない連中だから
歩くところといえば
海辺、川べり
食うものといえば
貝、 水草
そんなことでは力が出まい
昔はもっと
うまいものを食ってたはずだ
と言ってやっても
へらへら笑って
とても聞くものではない
ひとの親切なんかうるさいだけで
いいから、 おっさん
ほっといてくれ
と言われたら
こちらとしても
陰険な目つきで見返して
干し肉を
かじり続けるだけだが
そうはいっても
こちらにも
かすかな記憶はあって
な!
と逆に問われたら
うろたえないわけではない
帰ろうぜ!
と誘われたら
どうなることか
こいつらと一緒に
水棲にもどる
道をたずねて
旅に出るのだろうか
落日に
―― ああ、 血の色だよ ――
染まる海辺で
目を尖らせて
睨み合うおれたちは
たがいに
鮫だった昔の面影を
読み取ろうと
いや、すでに
読み取ったのだが
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おれジャック、 改名して今は浦島。


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