[文学] 源氏読むべし
受験生のための嫌がらせ材料ぐらいにしか思ってなかった 『源氏物語』 だが、 以下、 丸谷才一の 『文章読本』 から孫引きすると、 人々 「夜更け侍りぬ」
ときこゆれど、 なほいり給はず。
源 みる程ぞしばしなぐさむめぐりあはむ月の宮こははるかなれども
その夜、 うへの、 いとなつかしう、 昔物語などし給ひし御さま、 ゐんに似たてまつり給ひしも、 恋しう思ひ出で聞え給ひて、
源 「恩賜の御衣 (ぎょい) は今こゝにあり」
と誦 (ずん) じつゝ、 いり給ひぬ。 御衣 (おんぞ) は、 まことに身放たず、 かたはらに置 (お)い給へり。
ときこゆれど、 なほいり給はず。
源 みる程ぞしばしなぐさむめぐりあはむ月の宮こははるかなれども
その夜、 うへの、 いとなつかしう、 昔物語などし給ひし御さま、 ゐんに似たてまつり給ひしも、 恋しう思ひ出で聞え給ひて、
源 「恩賜の御衣 (ぎょい) は今こゝにあり」
と誦 (ずん) じつゝ、 いり給ひぬ。 御衣 (おんぞ) は、 まことに身放たず、 かたはらに置 (お)い給へり。
前後に丸谷の解説が入ってるから、 意味はだいたい取れたとして、 な、 なんだこの簡潔さは、 まるで上田秋成。 もちろん時代が逆だから、 秋成が 『源氏物語』 に学んだのだ。 そういえば、 『雨月物語』 の序文で紫式部のことを言ってたなと見返すと、 「奇態なほどの技巧をふるって源氏物語を書いた式部は、 その悪業で地獄に落ちたが、 自分がここに発表する雨月はずさんなもので、 悪い報いがあるはずもない」 といった意味のことが書いてある。 読むべし源氏物語。
