音楽の世界で起きていることが、 どうして文芸の世界では起こらないのだろう。 かつてブライオン・ガイシンがウィリアム・バロウズに言ったように、 やはり文芸はほかのジャンルより遅れた表現行為なのか。 とくに日本では、 本歌取りというその種の手法が昔から認めれてきたのに。
CNET Japan が Copyright Criminals Remix Contest(著作権違反者によるリミックスコンテスト) という音楽コンテストを紹介している。 このコンテストのきっかけになったのは、 「Copyright Criminals (著作権犯罪者)」 というドキュメンタリー映画。 制作者が10分ほどの予告編をオンラインで公開すると、 わずか数日後に誰かが Creative Commons コミュニティのリミックスプロジェクトサイト CCMixter 上で、 この映画をテーマとしたラップ音楽を公開した。 この反応に感動した映画制作者が、 映画の予告編で流れるインタビューの各部分を利用したリミックスの制作を呼びかけたのがこのコンテスト。
「素材を加工して遊ぶのは面白い。 George Clinton や Chuck D や DJ Spooky の声で遊ぶ機会を得るというのは、 大変素晴らしいことだ。 (他人の作品の) 借用、 デジタル音楽のリミックス、 あるいは Shakespeare が行ったことなど・・・借用したいという本能はあらゆる種類の創造力をかき立てる。 そして、 コンテストと映画の趣旨は、 そのような借用を奨励し、 その衝動を合法化することにある」 ―― 映画制作者の一人 Kembrew McLeod によるコンテストの趣旨
「過去の作品をただ保存しているだけでは、 何の利益も生み出せないことは、 少し考えれば容易に分かる。 音楽業界は保存している作品の利用を活性化させ、 過去の作品をリミックスやサンプリングに利用するといった発想を奨励すべきだ」 ―― 出演者の一人 Paul Miller の言
「サンプリングは犯罪行為ではなく創造的な行為だという考えに、 私は全面的に同意する」 ―― 同じく出演者の一人 Jeremy Rosier
CNET Japan の同じ記事によると、 サンプリングやオープンソースといった動きに対する 「抵抗勢力」 の姿勢もかなり変わってきたらしい。
Creative Commons のクリエイティブディレクター Eric Steuer 曰く、 「全米レコード協会(RIAA) は、 われわれがやっていることに対して協力的だ。 われわれが提供しているのが、 あくまで合法的な手法だからだ。 RIAA にしてみれば、 人々が許可なくそうした行為を行うことが問題なのだ。 Creative Commons のライセンスは、 そうした行為を合法的に行う仕組みを提供するものだ」
そういえば、 かつてオープンソース陣営をアカ呼ばわりしたマイクロソフトも、 Creative Commons が昨年行った運営資金の募金キャンペーンに25,000ドルを寄付している。
参考記事:
» ヒップホップがクリエイティブコモンズと出会う時 - CNET Japan
» CNET Japan Blog - Lessig Blog (JP):目標達成。さらにマイクロソフトからも
» ことばをもみ消せ:ブライオン・ガイシンのテープ実験
» ccMixter
» Internet Archive: Details: Copyright Criminals: This is a Sampling Sport (10 min Work in Progress) (「Copyright Criminals」 の予告編ビデオ)
