2006-03-23
[文学]  わからないこと
わからないことは、 いくらもあるが、
しばらく前から 『日はまた昇る』 を読みたい
と思っているのも、 その理由がわからないことの一つ。
『日はまた昇る』 は昔読んだ。
漠然としたストーリーもおぼえていない。
それなのに、 どうして読みたいと思うのか。
本屋でいくつか文庫本を見た。
ロバート・コーンという
語り手の友人がいて、 そいつは
どこかの大学のボクシングチャンピオンだったのだが、
どうもそのあたりの訳文が、
自分が読んだものとはちがう。
昔自分が読んだものを読みたいと思う。
でも、 その理由はわからない。

レマルクの 『凱旋門』 も読みたいと思う。
こちらは読んだことがあるのかないのか、
それもわからないが、
このごろしきりに読みたいと思う。
冒頭の場面だけおぼえている。
裕次郎と北原三枝が夜霧の中で出会う
といったおもむきのプロローグ。
もしかすると、 裕次郎の映画に
『凱旋門』 を下敷きにしたものがあって、
その映画評か何かに、
その映画は 『凱旋門』 が下敷きだ
というようなことが書いてあって、
それを読んだ記憶がどこかに残っているものだから、
そんなふうに思うのか。

自分の同世代人は日本だけで数百万人はいる。
大きく取れば1千万人。
今夜あたり、
おれのほかにも、
『凱旋門』 や 『日はまた昇る』 を
思い出しているか、
読みたいと思っているか、
あるいは、 現に読んでいるか、
自分はいろんなことで
社会の標準からはずれているが、
とはいっても、
類の無いはぐれ者というほどではないから、
同じ世代の内ならば、
多少は同じ心の動きをする者もいるだろう、
今夜あたり、 『凱旋門』 か 『日はまた昇る』 を
巡って何かしている人が、
自分のほかにも
二人や三人いるかもしれない。
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おれジャック、 改名して今は浦島。


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