萩原朔太郎の詩 「殺人事件」 のイメージは、 《当時浅草で楽隊の囃しと共に封切られた全三十巻の連続大活劇》 から借りたものだと河上徹太郎が言っていると篠田一士が言っている (筑摩書房 『日本文学全集34 萩原朔太郎 三好達治 西脇順三郎集』、1975年)。 篠田によれば、 この活劇とはジゴマ。
ジゴマについては、 YOMIURI ON-LINE の次の記事。
» 明治・大正の読売新聞: 大ヒットし、“模倣犯”が続出した「ジゴマ」
出典は河上の 『日本のアウトサイダー』 だという。 新潮文庫版の 『萩原朔太郎詩集』 の解説が河上徹太郎らしいので、 こちらでも同じものが読めるかもしれない。
自分が 「殺人事件」 を好きな理由。 表層のメランコリーに加えて、 この詩にピカレスク・ロマン (悪漢小説) への希求が隠されているからかもしれない。 見よ、 遠いさびしい大理石の歩道を、 曲者はまんまと逃げ去ったではないか。
