[詩] 夜の訪問者

画: Stranger searching on Flickr - Photo Sharing!
夜は更けていて
どこにもあるここにもある
いつも通りの有楽町に
歳末のアーク灯が
今夜も燃えていて
あまりに夜が更けていて
長い階段の上に
誰かの軽い足音が聞こえ
夜が長すぎる!
と別の誰かが叫びだす
本棚の影で
自分の腕に針を刺す男
薄明かりの中
注射器にピンクの色が
逆流して
男はふっと息を吐く
と ―― 別の誰かが
ドアを開いて
こんばんわ別の誰かさん
先に言ったのは
どちらの別の誰かだったか
もう一人の別の誰かが
相手を差し置いて耳をすませば
遠く近くのアーク灯の下に
ものの寄り添う気配もあって
これからです
夜が枝分かれして
幾筋にも更けて行くのは
