[文学] ドミノの金玉って
寺山修司に 「惜春鳥」 という詩があって、姉が血を吐く、妹が火吐く
謎の暗闇壜を吐く
壜の中味の三日月青く
指でさわれば身もほそる
ひとり地獄をさまようあなた
戸籍謄本ぬすまれて
…
見てのとおり、 というか、 よく知られているように、 これは西条八十の 「トミノの地獄」
姉は血を吐く、 妹は火吐く、
可愛いトミノは宝玉 (たま) を吐く。
ひとり地獄に落ちゆくトミノ、
地獄くらやみ花も無き。
…
からのパクリなのだが、 高取英の評伝では、 この元詩が
姉は血を吐く、 妹は火吐く、 可愛いドミノは金玉を吐く。 …
となっている。 「トミノ」 が 「ドミノ」 とされているのはよくあるミスとして、 「金玉」 が光りすぎ。 原稿段階での間違いとも思えないから、 ついあらぬ方向に思いの行きがちな、 うら若きオペレーターの誤入力だろうか。 まあ、 「宝玉」 と 「金玉」 だから、 たいした違いではないともいえるが。 高取英 『寺山修司 ―― 過激なる疾走』 、 昨夜読む。
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