[詩] 殴り合い
黙々と殴りあう二人の男殴り合って、 離れて、 また離れて
もう二度と接触すまいという辺りまで退いて
でもまた油断を見透かして
接近戦に持ち込んで
また殴って、 また殴られる
抱きついて、 振りほどいて
振りほどかれて、 抱きついて
やがて二人の間に
奇妙な感情がわいてきて
ああ、 こいつが
好敵手というやつだ
殴るのも快感、 殴られるのも快感
男の荒々しさと優雅さを
今ほどおれたちが
表現できたときがあったか
黙々と殴り合っていた二人の表情に
笑みが浮かんで
恍惚感さえ漂いはじめたら
もう何が何だかわからない
格闘技ファンは男と女とオカマだ
(inspired by ジャン・ジュネ 『ブレストの乱暴者』)
