[詩] 炭坑武士
夜の炭鉱町である
浪人が空を見ている
空には月がかかっている
住人はみな眠っていて
ほかに人影はない
猫が道を横切る
「おあつらえだな」
浪人の顔に、 苦っぽく
笑うような笑わないような笑い
三井だの三菱だのが
炭鉱を経営していたこの時代
なおも武士というものが存在したか
自分の存在があやふやに思われ
存在していたとしても
場違いな感じは変わらない
「謡 (うたい) でもうたうか」
さっきの猫が
道を反対方向に
横切るのを待つ気持ちがあるが
腕組みをして待っても
そのことは起こらない
感覚をこらすと
思い出に似たかすかな喧騒
町が昼間の
夢を見ているのだ
浪人が空を見ている
空には月がかかっている
住人はみな眠っていて
ほかに人影はない
猫が道を横切る
「おあつらえだな」
浪人の顔に、 苦っぽく
笑うような笑わないような笑い
三井だの三菱だのが
炭鉱を経営していたこの時代
なおも武士というものが存在したか
自分の存在があやふやに思われ
存在していたとしても
場違いな感じは変わらない
「謡 (うたい) でもうたうか」
さっきの猫が
道を反対方向に
横切るのを待つ気持ちがあるが
腕組みをして待っても
そのことは起こらない
感覚をこらすと
思い出に似たかすかな喧騒
町が昼間の
夢を見ているのだ
