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コラージュを見ると
心が騒ぐ
騒ぎませんか、 ふつう
コラージュという言葉を知ったのは
小学校の美術の授業でだった
新聞や雑誌から
てきとうな絵や写真や文字を切り抜いて
それを画用紙に貼りつけて
ペンと黒インクで線を描き込む
そんな授業だったのだが
俺が作ったのは
魚の写真に
水草を描き加えたような
見るからに才能の乏しいもので
俺はがっかりして
それ以来
コラージュを見かけると
気持ちをざわつかせながら
でも、 自分でやろうとは
しなかったのではないか
いわば、 幼時すでに
思い屈してあきらめた夢
コラージュを見れば
心が騒ぐ
なぜなら、 それは
いつも、 あきらめた夢の
象徴だから
美術家になる夢?
いいえ、 そんなことではありません
こんなふうに、 少し壊れて
もう少しだけ自由に
生きたかったという夢
いわば後悔を先取りするのが
コラージュなのです
失礼、 まちがえました
コラージュを
あきらめるということなのです
だけどね
ぶっ壊れて生きるということは
あなたやわたしには
許されない特権であって
そんな特権を許された者が
世の中にどれくらいいるかと言えば
九割ぐらいだろうか
