[詩] 論より証拠
論より証拠やってみい
ところで
その石を置いたのは私で御座いますから
方の寄り合いに雇われたが
間もなく床柱に行って取り調べると
やがて袖に顔を見合わせたが
列車妨害の犯人捜索に来た青年は顔を当てると
ヤケに鉛筆を嘗なめながら尋ねた
それからどうしたか
それならば売った時の子供の年齢は
あとから駈けつけた駐在巡査に引渡された
そうしてイザとなると手ひどく振りますので
色白の丸ポチャで
ところがその馬力が
云い損ないに気が付いたらしく
論より証拠やってみい
気絶した按摩は不平らしく白い眼を剥むいて
声をかけてみたところが留守だとわかりました
ヘエ
論より証拠やってみい
それからどうしたか
それで台所から忍び込んで押し止めた
ヘエ
何故そんな勿体ないことをする
あんまり大きな音がしたもんで
変なことを云いかけるので御座いますから
生娘のように真赤になったが
とある村外れの一軒屋の軒下に
うしろ姿を見送った人は
知り合いに雇われたが
三人は同罪になったが
白昼の国道を引っぱってゆく男の子をみんな売
まるでウラハラです
巡査はその通り手帳につけた
それで台所から忍び込みますと
この石を線路に置いたら
こうした話をした
二人の青年は顔を当てるとワーッと泣き出しそうになりながら
まだほかに子供は無いか
正午ひる過ぎに近所まで用足しに行って
白米を四俵盗んで行ったらしい
ところで
その石を置いたのは私で御座いますから
方の寄り合いに雇われたが
間もなく床柱に行って取り調べると
やがて袖に顔を見合わせたが
列車妨害の犯人捜索に来た青年は顔を当てると
ヤケに鉛筆を嘗なめながら尋ねた
それからどうしたか
それならば売った時の子供の年齢は
あとから駈けつけた駐在巡査に引渡された
そうしてイザとなると手ひどく振りますので
色白の丸ポチャで
ところがその馬力が
云い損ないに気が付いたらしく
論より証拠やってみい
気絶した按摩は不平らしく白い眼を剥むいて
声をかけてみたところが留守だとわかりました
ヘエ
論より証拠やってみい
それからどうしたか
それで台所から忍び込んで押し止めた
ヘエ
何故そんな勿体ないことをする
あんまり大きな音がしたもんで
変なことを云いかけるので御座いますから
生娘のように真赤になったが
とある村外れの一軒屋の軒下に
うしろ姿を見送った人は
知り合いに雇われたが
三人は同罪になったが
白昼の国道を引っぱってゆく男の子をみんな売
まるでウラハラです
巡査はその通り手帳につけた
それで台所から忍び込みますと
この石を線路に置いたら
こうした話をした
二人の青年は顔を当てるとワーッと泣き出しそうになりながら
まだほかに子供は無いか
正午ひる過ぎに近所まで用足しに行って
白米を四俵盗んで行ったらしい
[制作ノート]
素材テキスト: 夢野久作 いなか、の、じけん
カットアップツール: djack
これはうまくいった。
このごろ始めた朝のジョギング代わりの作詩。
青空文庫あたりから適当なテキストを借りてきて、それをプログラムでカットアップして、あとは (a) そのまま詩作品とする、(b) 人手を加えて仕上げる、のどちらかなんだが、これは手を加えていない。
難点は、詩より小説に近い。たんなる会話の記録といった趣もある。もっと詩らしくするには、自動化原理主義みたいな方向でプログラムを高度にしてくのも一つの方向だが、今のままマン・マシンシステムでいいのではないか。たまたま(いや、よくあることではあるのだが)これはうまくいった例ということで。

